名古屋陶磁器会館について

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名古屋陶磁器会館は、今を遡る事90年、1932(昭和7)年11月20日に竣工を迎えました。名古屋陶磁器貿易商工同業組合の事務所として建設されましたが、同年には、大日本陶磁器輸出組合等の同業団体も移転し、陶磁器輸出の全国的な主導権を握っていた名古屋陶業のシンボルとなるものでした。

設計は、俊英、鷹栖一英で、鉄筋コンクリート地下1階、地上2階建て(1部3階)で、ドイツ表現主義の影響を感じさせる立体的な装飾と施釉スクラッチタイルの豪華な外装は、当時平屋の木造家屋ばかりの周りを圧倒する威容でした。

その後、第2次世界大戦の戦禍をくぐり抜け、陶磁器業界の栄枯盛衰を見守りながら建設当時の威容を誇っており、現在では、「国登録有形文化財」、「名古屋市景観重要建造物」に指定され、名古屋の名所の一つとなっております。

名古屋陶磁器会館では、1階展示場にて、適宜、企画展を開催して、所蔵品の一部を無料で一般公開しておりますが、90年の歴史の中で、蒐集、寄贈を受けた所蔵品は、1,000点を超え、名古屋陶業の貴重な資料としてこれらを後世に伝えていく使命を担っております。名古屋では、明治後期以降、日本製輸出陶磁器の最大の生産地として発展し、九谷、東京、横浜、京都各地から名工が集まり「名古屋絵付け」と呼ばれる絢爛豪華な絵付けが施された陶磁器製品が世界を魅了しました。名古屋絵付けは、デコ盛り、洋風絵付け、ガラス盛り、金盛り、九谷風、薩摩風、等、文字どうり百花繚乱の多彩な技法が駆使された作品群です。

歴史的建築物と貴重なMade in Nagoyaの陶磁器作品を守って、後世に伝えて行きたいと考えており、皆様のご来訪を歓迎致します。

平成25年(2013)4月1日をもって「財団法人 名古屋陶磁器会館」から「一般財団法人 名古屋陶磁器会館」に移行しました。

名古屋陶磁器会館が実施した主な事業は以下の通りです。

顕彰事業

  • 井元為三郎氏の胸像建立(昭和34年)
  • 水野保一氏の胸像安置(昭和58年)

書籍の刊行

  • 『日本輸出陶磁器史』(昭和42年4月)
  • 『名古屋陶業の百年─会館の壁は聞いた150人の回想』(昭和62年)
  • 『東区もう一つの地図』(平成2年)
  • 『名古屋の絵付け』(平成7年)
  • 『名古屋絵付け物語』(令和2年6月)

技芸向上奨励(育成事業)

  • 名古屋陶磁器上絵付けコンクール入賞者の表彰(昭和52年~59年)
  • 上絵付け教室の開催(平成2年~)
  • 名古屋絵付け教室の開催(平成30年~)
  • 絵付け技能者の表彰(平成3年)
  • 絵付け体験会の開催(平成16年~)

陶磁器作品の展観事業

  • 徳川美術館に協力(中国清朝陶磁器作品展、昭和28年)
  • 愛知県陶磁資料館に寄託(花瓶ほか2点、昭和54年~平成16年)
  • 手描き製品の収集 第1回(昭和63年)、第2回(平成元年)、第3回(平成2年)
  • 名古屋海洋博物館に資料提供(平成2年~)
  • 過去に輸出した商品の収集(昭和63年~)
  • 資料室の開設(平成6年)
  • 企画展「クリスマスで彩る陶磁器会館」(平成21年~)
  • 企画展「雛人形・五月人形で彩る陶磁器会館」
  • 企画展「絵付け実演ウィーク」(平成30年~令和元年)

資料の貸出(企画展協力)

  • 「起承展」(名古屋市民ギャラリー、平成8年)
  • 「器に描かれた美人画」(瑞浪陶磁器資料館、平成14年)
  • 「食卓の華」(愛知県陶磁資料館、平成19年)
  • 文化のみち橦木館展示協力(平成22年~)
  • 「超技の世界―瀬戸焼・美濃焼・名古屋絵付など―」(横山美術館、平成31年)
  • 「魅了する 煌めく薩摩」(横山美術館、令和元年)
  • 「じだいをつなぐ 近代・現代陶磁の美」(横山美術館、令和元年)

文化庁事業

  • 文化庁「文化遺産を活かした観光振興地域活性化事業」(平成23・24年度)
  • 文化庁「文化遺産を活かした地域活性化事業」(平成25年度~)
  • 文化庁「伝統文化親子教室」(平成26年度)

歴史的建造物の保存事業

  • 名古屋市景観重要建造物指定(平成20年)
  • 国登録有形文化財建造物登録(平成20年)
  • 外壁等保存修理(平成22年度)
  • 愛知県国登録有形文化財建造物所有者の会事務所設置(平成23年~平成26年)
  • 電気設備工事(平成25年度)
  • 屋上防水工事(平成27年度)
  • 屋上防水工事(令和4年度)
▲現在の陶磁器会館 外観
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